おまえを誰より、死ぬほど求めてる。
今夜も、また何時間も体を重ねる。
こいつが拒んでも、どれだけ抵抗しても、やめてやらねェ。
俺の想いに気づくまで、いくらでもやってやるよ。
繰り返すたびに、こいつの気持ちが離れていっているのは、解っているが・・・。
「・・・亜紀人」
朝方になり、もう何度目だか知り得ない行為を終えると亜紀人が俺の部屋に入ってきた。
いくら弟でもこいつの肌を見せるのは気に食わない。
名前を呼ぶと同時にタオルケットをかけた。
「・・・に、無理・・・させないで」
俺には決して口答えしない亜紀人は、こいつ−が来てから少々反抗的になってきた。
今の発言に似た物を、日に何度も控えめに怯えながら言う。
俺は煙草を咥えたまま鼻で笑った。
「こいつは俺のモノだ。余計な事ほざくんじゃねーよ」
亜紀人は一瞬体を震わせると、足早に部屋から出て行った。
あいつを檻に入れなくなったのも、が来てからだ。
”人を何だと思ってるんだ” ”たった一人の弟だろ”
たしか、そんな言葉をこの俺に怒鳴り散らしていたんだったか。
世間一般に言う”良い子”じゃねェくせに、そういう事には敏感に反応する。
初めて見た時から変な奴だった。
あれから俺も寝てしまったのか、気がつけば日が高くなっていた。
カーテンから差し込む陽光がやけに目にしみる。
煙草はどうしたと思い軽く辺りを見回すと、サイドボードにある灰皿に煙草が1本だけ潰してあった。
がやったのだろう、横にはあいつの姿が無かった。
「・・・もう昼すぎじゃねーか・・・」
同じくサイドボードに乗っているデジタル時計に目を移す。
示す時間は12時37分。 今日が休日で本当に助かったと思う。
気だるい体を無理やり起こして、投げ捨ててあったボトムスに足を通した。
そして話し声が聞こえるリビングへと歩を進めていく。
「・・・あ、お兄ちゃんおはよう」
俺が視界に入ると亜紀人は機嫌良さそうに笑顔で挨拶をしてきた。
やつの隣で必死にフライパンと格闘しているのは、。
こいつは女のくせに家事は全くしたことが無いらしい。 情けない。
無言で近くまで行くとフライパンを取り上げる。
今にも火傷しそうで、心配で見ていられない。
「あっ・・・返せ、海人」
「俺の飯を焦がされても困るからな」
「その心配は要らない、に任せて」
「いーから待ってろ」
ずい、と顔を近づけて睨みを利かせると渋々ソファに行った。
俺の視界には入っていないが、亜紀人が苦笑してに話しているのが目に浮かぶ。
気づかれない様に小さく笑った。
「海人ー、火傷したら沢山笑ってあげるからね」
「おまえじゃない。そんな馬鹿な事はしねーよ、クズ」
「それは失礼しましたぁ室長殿」
「・・・亜紀人、に銃ぶっ放せ。俺が許す」
「お兄ちゃん、・・・」
苦笑混じりの声が聞こえた。
はで、何か亜紀人に愚痴っている。
俺は何故、こんなに愛情を裏返してしまうのだろうか。
「皿出せ、クズ」
「りょうかーい」
「おまえは座っとけ」
「えー、何でー・・・」
「皿まで割られたら適わない」
「焦がした事も、割った事もないもん!」
「亜紀人、早くしろ」
「はーい」
にソファに戻る様に行ってから、亜紀人は戸棚を開けて3人分の皿を並べ始めた。
あいつは不満げに両手で頬杖をついて此方を眺めている。
うぜェから見んな、と言っても完全シカトだ。
普通なら銃をぶっ放してやる所だが、既に嫌われているのにこれ以上嫌われる様な事は避けたい。
何とか自分を落ち着けて、皿に料理を盛った。
「・・・う・・・美味しい・・・」
「なっ・・・クズ、つまみぐいすんなっ」
「だって腹減ったんだもん!」
「テメーはガキか!もうちょいだから待っとけコラ!」
「ガキだもーん、待てませーん!」
「・・・っこの、ウンコクズ・・・!」
「ちょ、クズはアンタだよ海人!食事時にその発言は禁止っ」
「言わせたのは誰だクズ!」
「おうだ!何か文句あっかこの野郎!」
「威張る所じゃねェよガキ!」
・・・こんな口喧嘩をしていてもを愛しいと思ってしまう俺は、もう末期だろうか・・・。
海人さん、ヒロインが好きで仕方ありません。
気持ちを伝えられなくて行動で示すけど、報われない兄さんに乾杯だ、萌えだ(ぇ
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